Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

越澤明『東京都市計画物語』筑摩書房(ちくま学芸文庫)

”東京は都市計画が不在であった”という言い方をする人が少なからず存在する。しかし,果たしてそうなのだろうか。正しくは,東京には都市計画は存在した。ただ,当初の計画通りに実施されなかっただけにすぎないのである。

とのこと。そして,

その都度の都市計画事業,プロジェクトの成果に後の世代が大きく依拠しながら,それを忘れ去り,新たなストックをつくり出せず,むしろその遺産(ストック)を喰いつぶすことをしてきた。

というのが,今の東京のようだ。

興味深い内容ではあるけれど,文章は洗練されているとはいいがたく――上のひとつめ引用文でもそれは顕著――,全体的にも文章の寄せ集めの感は否めない。

518.8

東京都市計画物語 (筑摩書房): 2001|書誌詳細|国立国会図書館サーチ