Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

石川佳奈恵『本気で学ぶフランス語』ベレ出版

278ページあるなかで,80ページ目までが〈発音〉。「たとえ1つの単語でも,それを正しく発音しなければ相手には通じないこと。」という,著者が「語学留学を通じて感じたこと」の反映か。本の後半になってもカタカナで発音をサポートしてて,著者はよっぽど発音で苦しんだのかな。「こんな文法書があったらよかったのに…」という著者の思いをすべて詰め込んだらしい。

〈文法〉の箇所は意外にも――『本気で学ぶ韓国語』に比べればという意味で――無機質な記述で,会話文はなく,文法の説明に続いて例文がいくつかあるだけ。これも「文法をより理解し易くするには,例文を比較することと,学んだ知識がバラバラにならないよう,関連する文法の流れをつかむこと。」という著者の信念のあらわれか。

筆記体への言及もあった。

いずれにしろユニークなつくりの本だと思うのだが,これは著者が大学で教える先生ではない--30歳でフランスに語学留学し,その後ボーヌのCFPPAでワイン醸造学を専攻--ことと関係があるのか。読み手としては,その「専門家が書いていない」ということがいちばんひっかかる。

本気で学ぶフランス語 : 発音・会話・文法の力を基礎から積み上げる (CD book. Basic language learning) | NDLサーチ | 国立国会図書館