練習問題はないし会話文もない――人によっては欠点を思えるかもしれない――けれど,フランス語の文法がコンパクトにまとまっている良書。必要に応じて参照するには,こういう本がいいのかもしれない。(文法以外のことはシリーズの他の巻でカバーされているんだろう。)
味のあるイラストも良いし,時制の関係性というか〈時称の照応〉――現在形と半過去,複合過去形と大過去形,未来形と前未来形と条件法現在形,とか――が図解されていたりと,説明に工夫がされている。
「この本は,最初の原稿を西村が作成し,曽我・田島がそれに徹底的な検討を加えて完成したものです。」とのことで,良い本というのはやっぱりそうやって鍛えられてできるんだな。それでいて,「文法の学習も,『出てくる事項はすべて完全に覚えてしまわなければ』と気負うよりも,『とりあえず重要な点だけおさえておこう』と気楽にやるほうがよいでしょう」という,リラックスした雰囲気がいい。
やはり,東郷先生が勧められるだけのことはあった。
改訂版
改訂版になっても味のあるイラストは健在(よかった!)。「なお,『改訂版』では,ある程度進んだ段階で西村著『解説がくわしいフランス文法問題集』(白水社)に続けられるような配慮も加えました」とのこと。
コレクション・フランス語 3(文法) 改訂版 | NDLサーチ | 国立国会図書館
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