Dribs and Drabs

ランダムな読書歴に成り果てた

下条信輔『サブリミナル・マインド:潜在的人間観のゆくえ』中央公論社(中公新書)

サブリミナル・マインド 潜在的人間観のゆくえ (中公新書)作者:下條信輔中央公論新社Amazon 現代の心理学のセントラルドグマ(中心教義)「人間は自分で思っているほど,自分の心の動きをわかってはいない」 心の動き=知覚 情動 行動の本当の理由 本当とは…

高田明典『難解な本を読む技術』光文社(光文社新書)

難解な本を読む技術 (光文社新書)作者:高田 明典光文社Amazon ここでいう〈難解な本〉とは現代思想の翻訳本――デリダとかドゥルーズとかガタリとかそういうやつ――であって,本書はそのエッセンスの入った離乳食を与えてくれるもののではなく,あくまでそれら…

アダム・クチャルスキー『感染の法則:ウイルス伝染から金融危機、ネットミームの拡散まで』草思社

感染の法則:ウイルス伝染から金融危機、ネットミームの拡散まで作者:アダム・クチャルスキー草思社Amazon 興味深い内容――〈感染〉をキーワードにさまざまなジャンルを横断する――だし,信頼感のある記述――コロナ前に書き始められた(コロナに便乗してない)…

ベティ・エドワーズ『脳の右側で描け:決定版』河出書房新社

決定版 脳の右側で描け作者:ベティ・エドワーズ河出書房新社Amazon なにかの本の中で本書が紹介されていて,そこで受講者のレッスンを受ける前と受けた後の自画像が並べて掲載されていたんだけど,それがとにかく説得力があった。レッスンを受ける前のは本当…

A.R.ルリヤ『偉大な記憶力の物語:ある記憶術者の精神生活』岩波書店(岩波現代文庫)

偉大な記憶力の物語――ある記憶術者の精神生活 (岩波現代文庫)作者:A.R.ルリヤ岩波書店Amazon 面白いは面白いんだけど……「だから何?」という感覚はどこまでもついてまわる。 141.34 : 普通心理学.心理各論 偉大な記憶力の物語 : ある記憶術者の精神生活 (岩…

佐藤俊哉『宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ』岩波書店(岩波科学ライブラリー)

宇宙怪人しまりす 医療統計を学ぶ (岩波科学ライブラリー)作者:佐藤 俊哉岩波書店Amazon Twitterでこの本の存在をたまたま知ったけど,非常に幸運だった。内容はコンパクトで例もシンプルでありながら,医療統計がどんなものかというエッセンスがしっかりと…

Martin Gardner『ガードナー傑作選集:ゲーム、パズル、マジックで知る娯楽数学の世界:楽しみながら知性の鍛錬』森北出版

楽しみながら知性の鍛錬 ガードナー傑作選集 - ゲーム,パズル,マジックで知る娯楽数学の世界作者:Martin Gardner森北出版Amazon 〈娯楽数学〉を謳うにはレベルが高いなと思うというか,これを〈娯楽〉として楽しめるだけの知性は自分にはありませんって話な…

イアン・ハッキング『数学はなぜ哲学の問題になるのか』森北出版

数学はなぜ哲学の問題になるのか作者:イアン・ハッキング森北出版Amazon ざっと眺めてみたけれど,自分にとってはどうでもいい本だった。訳者のひとりが〈訳者あとがき〉で,本書に対するいくつかの書評――「その評価は思ったほど芳しいものではない」と認め…

竹山美宏『定理のつくりかた』森北出版

定理のつくりかた作者:竹山 美宏森北出版Amazon 本書は高校生を対象にした公開講座の内容をもとにしているだけに,数学的な内容は初等幾何・初等整数論に留まっており,そういう意味では物足りなさがある。意欲的な高校生が大学入試に向けてしっかりとした記…

デイヴィッド・エプスタイン『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?:アスリートの科学』早川書房

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?──アスリートの科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者:デイヴィッド エプスタイン早川書房Amazon 後半はタイトルから想像されるような話(ケニアに長距離ランナーが多いとか,ジャマイカにはスプリンターが多いとか)。…