Dribs and Drabs

ランダムな読書歴と音楽にまつわる備忘録

デイヴィッド・エプスタイン『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?:アスリートの科学』早川書房

後半はタイトルから想像されるような話(ケニアに長距離ランナーが多いとか,ジャマイカにはスプリンターが多いとか)。

前半の方がエピソードとしては面白くて,たとえば錚々たるメジャーリーガーでも女子ソフトボーラーの速球は打てない,なぜならメジャーリーガーにはどんな球が投げられるか予想が立たないから,ということで,メジャーリーガーはフィジカルの能力もさることながら実は視力がとてもいい,ボールがピッチャーの手から離れる瞬間のボールの縫い目を見てどんな球が来るか予想できるからだ,と。

チェスのグランドマスターも盤面をぱっとみてそれをすぐに記憶できるのは,眼前の情報を自分の中に膨大にあるデータベースに紐付けられるからだという話で,そういう意味でトレーニングの量はエリートプレーヤーになるにあたってクリティカルであると。ただフィジカルスポーツの場合は練習量では補いきれない身体的なアドバンテージというのがあって,バスケットボールなら身長だし,身長がそれほどなくても手の長さがある方が絶対的に有利だと。ランニングにしろ筋トレにしろ,トレーニング量がどれだけフィジカルの向上に繋がるかはやはり先天的な要素が無視できないよ,とかとか。

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スポーツ遺伝子は勝者を決めるか? : アスリートの科学 (早川書房): 2014|書誌詳細|国立国会図書館サーチ