ざっと眺めてみたけれど,自分にとってはどうでもいい本だった。訳者のひとりが〈訳者あとがき〉で,本書に対するいくつかの書評――「その評価は思ったほど芳しいものではない」と認めている――に対して,
ハッキングの独特なアプローチが必ずしも理解されているとは言えないのである。多くの書評が指摘しているのは,本書で用いられる概念の規定が明確ではない(たとえば,「デカルト的証明」と「ライプニッツ的証明」)とか,話に繰り返しが多いとか,全体としてとりとめがないといったようなことである。しかし,そのような評価は,この本を通常の「数学の哲学」についての本の一冊と捉えたことによる誤解であるように思われる。
と述べているんだけど,なぜ読者がそこまでハッキングに寄せて読まないといけないのか分からない。
410.1