サブタイトルの通り,「男と女はどこで結ばれてきたのか」,要するにセックスする場所の変遷をたどったもの。
かつては屋外でするのが自然だったとか,皇居前広場は例外だったけど戦後米兵が使うようになってその後日本人男子も使うようになったとか,「待合」というものがあったとか,ソバ屋のみならず飲食店の一部はその二階をカップルに貸すという風習があったとか,ラブホテルの先駆けである「円宿」というものがあったとか,あるいはラブホテルによくある鏡張りの部屋は割と古くからあったとか,そういうネタを,著者は雑誌・新聞のみならず小説とかからも丹念に拾っている。
そのフィクションから史実を拾うということの良しあしを著者も十分に理解していて,だからこそ記述はときに慎重すぎたりするんだけど,要するに半ば盲滅法でネタを収集しているわけで,それは関心する。
「大宅壮一文庫の検索は便利だけど,それを妄信すると史実を見逃すよ」みたいなことも書かれてて,そういう著者の「我」が表に出るところは邪魔だなぁと思うんだけど…。
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