著者いわく
ジェット・エンジンに関する本と言えば,熱サイクル的に同じである地上用や船舶用ガスタービンに関するものも含めれば,日本語の書だけでも,今まで十指に余るほど出版されてきた。それも,入門レベルのものから学術図書レベルのものまである。
こうした状況の中でこの本の位置づけを考えた結果,
ジェット・エンジンの全体像をカバーしたいので,やはり歴史から入りたい。しかし,ジェット・エンジンの歴史については,もう語りつくされている。そこで,梓沢氏(注:編集者)のおっしゃるように,歴史を書くにしても,工学的な立場から見たジェット・エンジンの創造の歴史とした。
というような悩みと逡巡が,この本の出来に対して悪い方に作用しているとしか思えない。なんだかバランスが悪いというか,ブルーバックスを読んでいる気にならないんだもの。
「ジェットエンジンとは要するに扇風機と走馬灯との組み合わせ」っていうのは面白おかったけれど。しかし途中で括弧書きで(なんとかデスゾ)とか出てきて,やっぱり鼻白んだり。
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