そもそも10年以上前に出された本をいま読む意味はどこにあるのか――ただでさえ進化のスピードの速いテクノロジーの分野に関する本で――という問題はある。しかし本書の本質的な問題は,訳者が「訳者あとがき」で指摘しているように,「ヒト知識プロジェクト」というグーグル的なものを公共的プロジェクトとして立ち上げようという提案が,まったく陳腐に思えることにある。
それ以前の箇所は――原書副題にある「Why We Should Worry」をめぐって――真面目にまとめられているんだけど,真面目すぎてちょっと距離を置きたくなる。
007.3
グーグル化の見えざる代償 : ウェブ・書籍・知識・記憶の変容 (インプレスジャパン): 2012|書誌詳細|国立国会図書館サーチ