「ゴルスイングはトンカチ」って言ったかと思うと「ゴルフスイングはアンダースロー」って言ってみたり,「引いて引く」って言ったかと思うと「引いて叩く」って言ってみたり。
局所的には正しいことを言っていても総合的に見たらどうなのよって感じだし,体系だってないように感じる――なっていたらいたで驚いていたけれど。
- まえがき
- 序章 ゴルフスイングはトンカチで釘を打つようなもの — ゴルフスイングの真実
- 第1章 ゴルフスイングの正体 — ゴルフクラブとスイングの超密接な関係
- 第2章 ゴルフクラブを扱う要諦「重心コントロール」 — ゴルフクラブの運動原理とスイングの原理
- 第3章 振り子ゴルフスイング①:”手の偏差値”を上げる — 手の中に支点があるクラブの振り子運動
- 第4章 振り子ゴルフスイング②:腕振り子の構築 — 上手い人はちゃんと振り,下手な人はちゃんと当てようとする
- 第5章 ハンドファーストが正しい理由 — 二つの振り子の融合
- 第6章 ゴルフクラブが導く全身運動 — スイングにおける正しいボディアクション
- 第7章 実践のスイング — ラウンド中でもクラブが最優先
まえがき
本書の内容の多くは、ゴルフクラブとその動き方を掘り下げたものです。なぜそうなるのかというと、ゴルフが、“クラブが主で体は従”のスポーツだからです。/ ゴルフが上手い人とそうでない人の大きな違いがどこにあるかといえば、ゴルフクラブのととやその動き方を考えているかどうかにあります。体が思い通りに動いたとしても、道具であるクラブが機能しないことにはイメージ通りのボールは打てないし、狙ったところにボールを運べません。ボールを打つのはクラブだからです。/ その視点に立つと、ゴルフスイングを分析することは、必然的にクラブの動きを追究することになる。そこにスイングの原理原則があるのです
序章 ゴルフスイングはトンカチで釘を打つようなもの — ゴルフスイングの真実
体の動かし方を教えられ、その通りやっているのにいつまで経っても上手く当たらない人は、ゴルフクラブという道具を扱うのに不可欠なコツを知りません。
大人になってからゴルフをはじめる人にとっては、最初に体の動きを習ってしまうてとがそもそもの間違いです。まず覚えるべきはゴルフクラブの扱い方で、いわばこれがスイングの核になります。上達しないとお嘆きのみなさんに、私がいの一番に伝えたいことがこれです。
トンカチの使い方はゴルフクラブの使い方とまったく一緒です。いいかえればトンカチで釘を打てる人ならクラブを正しく使ってスイングできる=ゴルフができるということになります。
この場合、上からオーバースロー的な感じで手を振り出しますが、ゴルフクラブを扱う際には下から、つまりアンダースロー的な動きになります。誰もができるオーバースローをアンダースローにするだけでスイングになるのです。
大事なポイントなので先に申し上げますが、クラブを押さえ込んでいるかいないかは、クラブヘッドを接地させてクラブをズルズル引きずれるかどうかでわかります(写真参照)。
振り子のイメージでスイングできるとクラブの周期が崩れませんし、クラブによって体が動かされる状態になる
振り子運動のみでボールを打ったところで飛びません。ふとん叩きでふとんをパンパン叩くように、あるいはクラブでインパクトバッグを引っ叩くようにボールを打つのがゴルフスイング。やることは極めてシンプルで、棒でボールを引っ叩くだけ。読んで字のごとく、“引っぱって叩きつける”のです。
当てにいっていたらスイングは習得できず、当てにいかなければ習得に向かって邁進できます。/ そこで必要なのはスイング理論ではなく、“棒振り”。
ゴルフクラブの運動量が大きくなるのに比例して体の動きも大きくなるのは、そうしないとバランスがとれないからです。
第1章 ゴルフスイングの正体 — ゴルフクラブとスイングの超密接な関係
ゴルフで正しくボールを飛ばすのに絶対必要なのは、打法や理論ではなくクラブを正しく使うこと。ゴルフにおける主役はあくまでクラブで、ゴルファーでもスイングでもありません。これは400年前から変わらず、おそらく未来永劫変わることのない普遍的な事柄だと思います。
「ゴルフは難しい」という人が多いですが、ゴルフの本当の難しさを知っている方は少ない。本当の難しさはコースで遭遇するさまざまな状況や自然現象に対応しつつ、いいスコアで回るところにありますが、大半の方は、うまくボールを打つことの難しさ=ゴルフの難しさと考えているからです。/ もし、あなたが同様に考えていたら即刻考えを改めてください。なぜならボールを打つことは難しくないから。百歩譲って難しいと感じるなら、それはゴルフクラブの重心がグリップの延長線上からずれた位置に存在しているから。ボールを打つのを難しく感じるのは、この一点にあるといっても過言ではありません。
とかくスイングでは正解を求めますが、習得したら正解は求めなくてもいい。大事なのは、どういう球を打ちたいか、それにはクラブをどう動かせばいいか、これがすべてになるからです。正解はその都度変わってしかるべきなのです。
第2章 ゴルフクラブを扱う要諦「重心コントロール」 — ゴルフクラブの運動原理とスイングの原理
クラブを上手く扱うということは、クラブの重心を上手く利用(二管理)することです。私はこれを、「重心コントロール」と呼んだり「重心をとる」といったりしています。
物体としてのバランスをとるには、持ち手の延長線上に重心をもってくればいい。すなわち、アドレス時の自分から見てフェースが少しかぶった状態にすることです。/ 両手でクラブを持って右肩に担ぎ、一旦グリップをゆるめてから軽く持ち直してヘッドを地面に下ろすとフェースは閉じます。クラブ目線で見ると、これが重心バランスのとれたセットアップになります(次ページ写真参照)。
だからといって、リーディングエッジをターゲットに向けたアドレスが間違いかといえば、そんなことはありません。現実にはその構えからスイングするゴルファーが大半ですしプロとて例外ではありません。/ では、なぜそれでもインパクトでフェースが開くことなく上手く打てるのでしょう? それはアドレス時にバランスがとれていなくても、スイング中に重心をコントロールできるから。いいかえるとクラブが動きたがるのに任せて引き続けているからです。プレーヤーの意識とは関係なく、“クラブが主、ゴルファーが従”になっているわけです。
フェースをスクエアに使うというのは、フェース面がスイング軌道に対してスクエアに動くことです。スイング中ヘッドは弧を描きますが、その弧に対してスクエアなのが正真正銘のスクエアフェースで、ボールとターゲットを結んだターゲットラインに対してスクエアに動くことではありません。
第3章 振り子ゴルフスイング①:”手の偏差値”を上げる — 手の中に支点があるクラブの振り子運動
ここでちょっと頭を働かせなければならないのですが、クラブはライ角に沿った角度で振り子運動をします。これによりフェースが開閉することはすでに述べました。要はライ角がついた状態で振り子の支点を作れるかどうかが、スイングの成否を分けるポイントのひとつということです。/ クラブの重心をコントロールできると、ダウンスイングからインパクトにかけてクラブを引き続けるスタイルになります。タイミングや軌道などはさておき、プロとアベレージゴルファーの差はこれができているかいないかだけといってもいい。早い話が、インパクト前にクラブヘッドがグリップを追い越さなければゴルフクラブを生かせるスイングになるのです。
何が本当に大事なのかといえば、“手の中”です。/ 前述したようにゴルフクラブが振り子のように動くには支点が必要で、グリップはその役割を果たします。でも道具としてのゴルフクラブを使うには、握った手の中でクラプの動きを感じる必要があるということ。いいかえれば、支点は手の中にあるということです。
そこで重要になるのが、手でクラブを正しく引くポイントになります。/ 手の中でクラブを感じられないとクラブを引き戻すことができず、反対に押してしまいます。引ければ手首の角度は変わりませんが、押すと手首の角度が解けてアーリーリリースになるなど多くの弊害があります。/ 私はとの手の重要さを“手の偏差値”と表現しています。手の中でクラブを引けている人は手の偏差値が高く、手でクラブを牛耳って押すように使っている人は手の偏差値が低いというわけです。
これはグリップ内の圧力が常に変化するということでもあります。私はこれを”グリップの内圧変化”と呼び、スイングの要のひとつだと考えています。大事なことは見えないところに潜んでいるのです。
プロが、「腕と体を一体化させる」というのは、アベレージゴルファーの方が考える以上に、体の動きに遅れないよう腕、特にヒジから先の前腕部をビュンビュン振っているからです。前述したように、スクエアグリップのプレーヤーほどこの傾向が顕著ですが、これを前提として腕と体を一体化させると表現しているのです。/ このようにスイングするには、切り返したら腕が先行するイメージをもつのが有効ですが、その場合、切り返しで、“行き別れ”があることが前提となります。行き別れについては第4章で詳述しますので、とこではブランコを加速させるときのように、クラブが動く方向と逆方向に力をかけて方向転換するイメージをもってください。
第4章 振り子ゴルフスイング②:腕振り子の構築 — 上手い人はちゃんと振り,下手な人はちゃんと当てようとする
このように話すと、「手打ちじゃないか?」と思う人がおられるかもしれません。日本のゴルフ界では、手打ちはもっぱらネガティブワード。ボディターンがいわれ出してからは特にこの傾向が強いですが、第3章で述べたように手を使わないことにはスイングできません。/ ただし、手打ちには、いい手打ちと悪い手打ちがあります。/ いい手打ちは手先ではなく、前腕を含む肩甲骨から先の腕全体を機能的に使えています。具体的には、プロのようにダウンスイングでクラブを引き、インパクト〜フォローで両腕のヒジから先が左に回転していく。これはウィークやスクエアグリップの人ほど顕著です。その際、左右の手首が甲側や手のひら側に大きく折れません。いわゆる“手首の角度が変わらない”手打ち。“前腕打ち”といったほうが正しいかもしれません。
第5章 ハンドファーストが正しい理由 — 二つの振り子の融合
左前腕が素直に力を出すと、インパクトに向かって左手甲が前を向いてフェースが開く方向に作用し、右前腕は左に回内してフェースを閉じようとします。これが両手がケンカをしている状態。右手が勝つとフェースは左、左手が勝てば右を向きます。フェースを真っすぐ動かそうと左手が力むほど左前腕の回内を助長してフェースが開き、右に飛ぶことになるのです。/ スイング的には左前腕は力を出す方向に使わないのが正解で、これは両手がケンカをしていない状態。身体機能的には自然な動きでも両手で振るスイングではNGというわけです。
プロが、「腕の力を抜く」というのは両手のケンカをなくすためでもあります。力を抜いてクラブ主導にすることでケンカを防げます。
結論からいうと、プロや上級者は、自分から見てギリギリ左側(ターゲット方向)にグリップ支点を運んでから第一振り子を稼働します。一般的にリリースと呼ばれているアクションです。/ こうするとクラブヘッドが描く軌道の最下点は、自分の真下よりもやや左になります。ボールポジションが左右センターだとすれば、ヘッドが最下点に至る直前でボールにコンタクトするととになる。つまり、ヘッドが最大限に加速する下降過程でボールをとらえられるわけです。
クラブヘッドの重心はヘッドの内部にあるため、フェースをややかぶせると重心バランスがとれた状態になると述べました。しかし、それではフェースが左を向きますから、そのまま当たるとボールは左に飛び出します。/ 真っすぐに近い角度で打ち出すには、フェースを目標方向に向ければいい。そこでやってみると、グリップ支点が左サイドに移動し、第一振り子の稼働位置と重なります。ゴルフクラブの重心をコントロールするという意味でも、この位置でリリースすることは理にかなっているのです。
第6章 ゴルフクラブが導く全身運動 — スイングにおける正しいボディアクション
ベン・ホーガンを教えていたかつての名手、ポール・ラニアンの言葉に「手がコントロール、上体、腕がエンジン、下半身はバランス」というのがあります。この観点でスイングを俯瞰して見ると、体はバランスをとるために使う、という考え方でスイングしたほうがいい。体は常にクラブと反対方向に動くことからも、そうすることでゴルフクラブのみならず、体で生み出されるエネルギーも使うことができるからです。/ つけ加えておくと、スイングの原理原則は、腕や手を含めた上半身の使い方がわかれはほぼ習得できます。ショットに関しては片手シングルくらいのレベルにはなるでしょう。
第7章 実践のスイング — ラウンド中でもクラブが最優先
ゴルフスイングの原理原則 | NDLサーチ | 国立国会図書館
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