サントリー学芸賞政治・経済部門受賞作。
なんだけど,同じような話がつづく印象,というか,構成に違和感あるというか。
あと,
本書の仮説を先取りして述べれば,以下の通りになる。第1に維新が大阪で支持され,そして大阪の選挙で勝ち続けている理由は,維新が自らの政党ラベルを他の政党以上に機能させることに成功したからである。
第2に住民投票の結果が反対多数となった理由は,大阪市民が大阪市の廃止・解体に対して懐疑的ないし批判的な態度を強め,賛同を踏みとどまったからである。(p.41)
ってな感じで,「こういう仮説立てました,こういう検証しました,こういう結果が出ました,仮説は棄却されませんでした」,はいまぁそうですねって感じなんだけど,分析のフレームワークありきなんじゃないのって気がしなくもない……。しらんけど。
まとめると,この著者の主張は,「維新を〈ポピュリズム〉というフレームで分析するのは分析ですらない印象論でやめるべき」,「維新が普通の選挙で強いけど住民投票で負けたのは『維新が政党ラベルを機能させ,かつ,大阪市民が批判的な志向性を持っていた』から」ということで,なるほど。
あと,「本章(第7章:投票用紙は投票行動を変えるのか)の分析結果は,住民投票時に用いられた投票用紙により賛成票が増えたという主張を支持するものではなかった」んだと。
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