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ランダムな読書歴に成り果てた

シド・フィールド『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと:シド・フィールドの脚本術』フィルムアート社

この本を読むまでシド・フィールドって名前聞いたこともなかったんだけど,「国際的評価を得る脚本家」らいし。しかもサム・ペキンパーやジャン・ルノワールに師事したっていうんだから,本物だ。

スコット・フィッツジェラルドが映画の脚本を書くのに苦労した,というエピソードが象徴的だ。すぐれた作家がすぐれた脚本家になれるわけではない。脚本には脚本の書き方があるし,映画には映画ならではの表現がある。そのことを教えてくれるのが本書だ。

本書で何度も語られるのは,以下のふたつだ。「脚本は,映像で語られるストーリー」,そして,「ドラマは葛藤である。葛藤なしには,アクションは生まれない。アクションなしにはキャラクターが生まれない。キャラクターなしには,ストーリーは存在しない。ストーリーがなければ,脚本を書くことはできない」。

シド・フィールドのアドバイスは,時に概念的で,時に具体的だ。「すべてのストーリーには“発端”“中盤”“結末”がある」「脚本の1ページは映像にして1分」「発端(第一幕,状況設定)で30ページ,中盤(第二幕,葛藤)で60ページ,結末(第三幕,解決)で30ページ」「第一幕の終わりにプロットポイントIがあり,第二幕の終わりにプロットポイントIIがある」「カードを使ってストーリーラインを構築する,第一幕で必要なカードは14枚」「書くことは,書き直すこと」「冒頭の10ページが勝負を決める」。

901.27

映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと : シド・フィールドの脚本術 (フィルムアート社): 2009|書誌詳細|国立国会図書館サーチ