はじめに
ウェイトトレーニングを通して筋力や筋量を伸ばし,体力強化,体組織改善,健康増進などを目指すとき,栄養は避けては通れないテーマになります。
特定の食べ物を抜き出して良し悪しを語ることにはあまり意味がなく,良し悪しを語るなら,もっと大きな目で見た「食生活」という単位で考えるべきなのです。
ピラミッドの紹介
市場で販売されているサプリメント商品のほとんどはお金がかかる以外に目立った効果をもたらしません。ただ,一部にはしっかりした科学的裏付けのあるサプリメントもあり,小さいながらもポジティブな効果を期待できます。
第1章:食事管理のツールと心構え
理論を学んだらその知識をどう使うかが重要です。せっかくの知識も,毎日の生活に落とし込んで継続可能な生活スタイルを築くことができなければ結果を得ることはできません。
実生活の中で栄養管理を続けていくには,「一貫性・正確性・柔軟性」のバランスをうまく取ることが必要になります。
「悪い食べ物を取り除く」から離れて「良い食べ物を取り入れる」という気持ちを持つと,より良い食生活が続けやすくなるはずです。/「良い食べ物」を摂ることは重要です。ただ,「良い食べ物しか食べない生活」に徹してもボーナス的な効果が得られるわけではないということを理解しておきましょう。
趣味トレーニーであってもデータを取るのが有効な場面はあります。まず,これまでに食事管理を行った経験のない人であれば,自分が普段の食生活の中で何をどのくらい食べているのか,それは多いのか少ないのかといったことを客観視して把握するキッカケになります。
第2章:カロリー収支(Level 1)
フィットネス業界では,Level 4やLevel 5に当てはまる情報だけが抜き出される形で語られ,それが混乱を招くことが少なくありません。例えば,プロテインを摂るタイミングをどうするかを考えるのは悪いことではありませんが,そもそもたんぱく質とは何なのか,自分のカロリー収支やたんぱく質摂取量が摂取タイミングとどう関係するかを理解して初めて意味が出てくるものです。
トレーニングを初めて間もない初心者の人や,しばらくトレーニングから離れていた人は身体の適応が進みやすいので,体脂肪率を落としながら筋肉を増やせることがあります。/初心者の域を出ようとしている人や,中級者や上級者に当てはまる人がそこからさらに全身するには目標をどちらかに絞った方が効率的になります。筋肉を増やすか体脂肪を落とすか,どちらかに目標を絞って考えるのがいいでしょう。
第3章:三大栄養素・食物繊維(Level 2)
増量の場合:体重1kgあたり1.8g〜2.2gの範囲で摂れていれば,たんぱく質による効果は最大限に得られると考えられます。
ケトジェニックダイエットはインチキで効果がないというわけではありません。どんなダイエット法にもメリットとデメリットがあり,それを理解ひて自分に合った方法を選ぶことが重要なわけですが,関連する分野の論文を見るとポジティブな内容,ネガティブな内容,どちらでもない内容が混ざっています。
第4章:微量栄養素・水分(Level 3)
「脂溶性ビタミンは4種類だけ(DAKE)」
- 亜鉛が不足すると代謝に悪影響が出ることがある
- 鉄が不足すると筋力に悪影響が出ることがある
- カルシウムが不足すると骨の健康に悪影響が出ることがある
第5章:食事回数・タイミング(Level 4)
以前はトレーニング後に炭水化物を摂るのが需要だと考えられていたことがありますが,ウェイトトレーニングだけを行っている人の場合にはそこまで気にしなくても大丈夫です。ただ,ウェイトトレーニングに加えて,有酸素運動や高強度インターバルトレーニングを行っているような場合には意味が出てくるかもしれません。
トレーニング前後でたんぱく質を摂らないよりは摂ったほうが良いだろうとは言えます。しかし,過去の研究データをまとめた論文で,1日のたんぱく質の摂取量が同じであればトレーニングの前後1時間以内にたんぱく質を摂るかどうかが筋肥大に与える影響は非常に小さなものだと結論づけられています。/トレーニング前後でのたんぱく質の摂り方を細かく工夫するよりも,毎日のたんぱく質の摂取量を確保する方がトレーニングの適応にずっと大きく影響します。
第6章:サプリメント(Level 5)
自分自身にとって必要なサプリメントかどうかを判断するには,まず自分自身の目標を達成するのに何が必要かを考え,その上で科学的裏付けのあるサプリメントを選ぶということが必要になります。
ホエイプロテインを購入する際に,品質の良くない商品を避けるためには以下のポイントに注意しましょう。
- 1kgあたりなど同じ量で比較すると他社商品の平均的な価格よりも大幅に安い。
- 内容の分からない特許配合が使われている。
- たんぱく質25gあたりロイシンの含有量が2.7g以下である。
第7章:経過チェックと摂取量調整
本書では身体の変化を把握するために,以下の方法を組み合わせて使うのをオススメします。
- 体重
- 身体の見た目
- トレーニング成績
- 身体のサイズ
本書では減量や増量の経過を把握する目的で体脂肪率を測ることはオススメしません。
体脂肪率の測定方法にはいくつか種類があり,研究施設で使われるような専門的な機器でも測定値に誤差がありまs.研究では複数の被験者の体脂肪率を測定し平均値を出すという特徴があり,そういう目的には十分な正確性があるのですが,個人の体脂肪率を測定したり比較したりするには誤差の問題が大きくなります。
増量中には,カロリー収支のプラス幅とトレーニング内容が適切に設定できれいれば筋力は伸びていきます。トレーニング内容は経験レベルによって変わりますが,筋力が伸びていれば挙上重量や挙上回数の増加という形で確認することができるはずです。
第8章:競技者のピーキング
第9章:減量後の回復期
第10章:数字管理と習慣づくり
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肉体改造のピラミッド (AthleteBody): 2021|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
781.5 : 体操.遊戯