2022-01-01から1年間の記事一覧
NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX作者:リード・ヘイスティングス,エリン・メイヤー日経BP 日本経済新聞出版本部Amazon 内容というか目指している企業/組織像として『ティール組織』*1に近いと想像するんだけど,こっちの方が圧倒的…
スノウ・クラッシュ〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF)作者:ニール スティーヴンスン早川書房Amazon スノウ・クラッシュ〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫SF)作者:ニール スティーヴンスン早川書房Amazon あぁ,自分はもう小説が読めない体になってしまったのか……。最初…
ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現作者:フレデリック・ラルー,嘉村賢州英治出版Amazon 人気の本っぽかったので借りてみた。 まず〈ティール〉って色の名前なんだそうな(teal)*1。著者いわく,人類のパラダイムと組織の発達にはい…
哲学入門 (ちくま新書)作者:戸田山 和久筑摩書房Amazon どこで本書の存在を知ったか忘れたけれど,いやーいいものを読んだ。自然科学的世界像の中に哲学を埋めこもうとする試み。自分にとってまったく知らなかった世界で,スリリング。〈こころ〉の世界にと…
アルゴリズム設計マニュアル 上丸善出版Amazon 本書は,プログラミングの初歩を学んだ生徒や,実際のプログラミング現場で活躍しているプログラマー/技術者を対象としたアルゴリズム設計のレファレンスマニュアルである。/読者が抱えている応用上の問題を…
侵食される民主主義 下: 内部からの崩壊と専制国家の攻撃作者:ラリー・ダイアモンド勁草書房Amazon 下巻も読了。上巻はビッグピクチャーを描いていたのに対して,下巻は細かい処方箋――特にアメリカにおいて民主主義を回復するための――といった様相を呈してく…
ソフトコンピューティング: 工学的基礎および建築、ロボット、航空宇宙、交通への応用丸善出版Amazon どこでこの本の存在を知ったんだっけな? ソフトコンピューティングとは,アルゴリズムできちんと記述されないと作動しない,融通の利かない従来型のコン…
スパイダー・ネットワーク 金融史に残る詐欺事件――LIBORスキャンダルの全内幕 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)作者:デイヴィッド エンリッチハーパーコリンズ・ジャパンAmazon LIBORに〈不正〉があって廃止されたことは知っていたけど,まさかこんなこ…
キューバ危機 - ミラー・イメージングの罠作者:デイヴィッド・A・ウェルチ中央公論新社Amazon 『国際紛争』で存在を知ったこの本。 本書を執筆した動機には,一九六二年のキューバ・ミサイル危機を扱った著作のうち国際関係論の入門的な授業で使え,読みやす…
侵食される民主主義 上: 内部からの崩壊と専制国家の攻撃作者:ラリー・ダイアモンド勁草書房Amazon とりあえず上巻を読了。 サブタイトルで〈内部からの崩壊〉っていってるのの最たる例はドナルド・トランプ(を大統領に選出するに至ったアメリカの分断・選…
ストリートの思想 転換期としての1990年代 (NHKブックス)作者:毛利 嘉孝NHK出版Amazon ストリートカルチャーについて知見を深めるつもりで適当に手に取ったら,社会科学/現代思想の本だった。「〈ストリート〉の思想」じゃなくて「ストリートの〈思想〉」だ…
昭和天皇のゴルフ―[昭和史を解く意外な鍵]作者:田代 靖尚主婦の友社Amazon (欧米の)近代史を書きたいのか(日本の)昭和史を書きたいのか昭和天皇史を書きたいのかゴルフの黎明期を書きたいのか昭和天皇のゴルフ史を書きたいのか,焦点がよく定まっていな…
平均思考は捨てなさい──出る杭を伸ばす個の科学 (早川書房)作者:トッド ローズ早川書房Amazon 〈平均思考〉を批評し〈個性学〉を推進する著者。それがよくあるエリートな経歴であれば説得力も半減するところだが, 私はユタ州のオグデンで大学生活を始めたと…
存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く作者:キャロライン・クリアド=ペレス河出書房新社Amazon 『多様性の科学』で引用されていた本。カテゴライズするなら〈ジェンダー論〉とか〈フェミニズム〉ということになるんだろうけど,…
ヤマケイ文庫 空へ-「悪夢のエヴェレスト」1996年5月10日作者:ジョン・クラカワー山と溪谷社Amazon 『多様性の科学』で引用されていた本。1996年5月にエヴェレストで12人と登山者が遭難死した事象を克明に記録したもので,『多様性の科学』では強すぎるリー…
現象としての人間【新版】 新装版作者:ピエール・テイヤール・ド・シャルダンみすず書房Amazon たしか『多様性の科学』の中で言及されていた本だと思うけど,どういう文脈でだったか忘れてしまった。そしてその文脈が頭にないと,なかなか頭に入ってこない――…
文化がヒトを進化させた作者:ジョセフ・ヘンリック,今西康子白揚社Amazon 原題は『The Secret of Our Success: How Culture Is Driving Human Evolution, Domesticating Our Species, and Making Us Smarter』。ここで〈文化〉といっているのは音楽とか芸術…
みんなの進化論作者:デイヴィッド スローン ウィルソン日本放送出版協会Amazon 装丁も文章も翻訳もちゃんとしてて,参考文献もボリュームしっかりしているのに,なんだか物足りない。進化論にまつわる興味深いエピソード――しかしどこかで聞いたことがあるよ…
国際紛争 -- 理論と歴史 原書第10版作者:ジョセフ・S.ナイ ジュニア,デイヴィッド・A. ウェルチ有斐閣Amazon 今だから言えますが、1章、5章、10章の下訳をしたのは私です。7章には関わっておりませんが。 https://t.co/2yWaOeFKu1— Tetsuo Kotani / 小谷哲男…
オレンジの呪縛――オランダ代表はなぜ勝てないか?作者:デイヴィッド・ウィナー講談社Amazon 『多様性の科学』だったかな,この本を知ったのは。どういう文脈でだったか覚えてないし,本書を一読しても思い出せない。 「オランダ人の空間に関する感覚は独特」…
Hit Refresh(ヒット リフレッシュ)作者:サティア・ナデラ,グレッグ・ショー,ジル・トレイシー・ニコルズ日経BPAmazon マイクロソフトの現役CEOが書いた本。この本のおかげで,マイクロソフトはだいぶ〈顔の見える会社〉になったと思う。 内容はサブタイト…
トヨタのカタ 驚異の業績を支える思考と行動のルーティン作者:マイク・ローザー(Mike Rother)日経BPAmazon 読みやすい本では決してない。それは原書の構成やそもそもの内容――――具体例が工場の話だけ――のせいかもしれないし,翻訳のせいかもしれない。でもト…
体の知性を取り戻す (講談社現代新書)作者:尹 雄大講談社Amazon 本書を最初に開いたときに,ページの濃度の薄さ――つまりスカスカした感じ――が気になった。一読して,その〈スカスカ〉は内容もそうだったことが分かった。 いった自分は何を読まされたのだろう…
着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕 (ちくま学芸文庫)作者:遠藤嘉基,渡辺実筑摩書房Amazon 「半世紀近くにわたって読み継がれた,至高の現代文教本」(裏表紙より)だそうだ。たしかにその解説は懇切丁寧だし,ボトムアップで体系的に書かれている。た…
倒壊する巨塔〈下〉―アルカイダと「9・11」への道作者:ローレンス ライト白水社Amazon 下巻になってアメリカ側が出てくる。その中心はジョン・オニール*1。FBI捜査官で,対テロ作戦部長で,早くからビンラディンに注目しており,しかしFBIをやめたあとはワー…
倒壊する巨塔〈上〉―アルカイダと「9・11」への道作者:ローレンス ライト白水社Amazon とりあえず上巻だけ。 ものすごい本である。「講釈師,見てきたような嘘をつき」というフレーズがあるけれど,この著者はまさに〈見てきたような〉臨場感とリアリティー…
群衆の智慧 (角川EPUB選書)作者:ジェームズ・スロウィッキー,小高 尚子KADOKAWAAmazon 『「みんなの意見」は案外正しい』角川文庫(2009)の改題,修正。 「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)作者:ジェームズ・スロウィッキーKADOKAWAAmazon 原タイ…
競争と協調のレッスン コロンビア×ウォートン流 組織を生き抜く行動心理学 (T's BUSINESS DESIGN)作者:アダム・ガリンスキー,モーリス・シュヴァイツァーTAC出版Amazon それなりに面白い内容だけど,本としての〈底の浅さ〉をどうしても感じてしまう。考えら…
マンガでわかる Excel作者:あきばさやかKADOKAWAAmazon 〈初歩の初歩〉といったレベルなのだけど,この中に出てくるショートカットを自分が全部使えているかどうか,少し不安になる。 それにしても,こういうマンガ形式は敷居を低くするのに役立っているし,…
文体練習作者:レーモン・クノー朝日出版社Amazon 久しぶりに読んでみた。気づいたのは,訳者(朝比奈弘治*1)による〈あとがき〉が,本文に勝るとも劣らないぐらい面白いということだ。 すぐれた書物というものは普通,豊かな内容を格調の高い文体で表現した…